ファスナー・線材メーカーのCBAM: 対象工程と歩留まりが重要な理由

購入した鋼材でねじ、ボルト、ナット、線材を作っていますか?CBAMの対象工程、購入鋼材の数え方、スクラップを減らすと値が下がる理由。欧州委員会の鉄鋼ガイダンスに基づく。

2026年10月9日時点のEU規則で確認済み。

ファスナーや線材の工場の多くは、購入した鋼材(線材、棒鋼、コイル)からCBAM物品を作っています。出荷品の内包排出量は、自社工程の排出量にその鋼材の内包排出量を加えたものです。鉄鋼製品では直接排出量だけが対象で、電力は含みません。

対象となる工程

EUの計算規則(実施規則(EU)2025/2547、付属書I 3.16項)は、再加熱、再溶解、鋳造、熱間・冷間圧延、鍛造、焼なまし、被覆、溶融亜鉛めっき、伸線、酸洗の燃料・工程排出を対象とし、電気めっき、切断、溶接、仕上げの排出は除外しています。

  • 対象: 焼なまし・熱処理炉、伸線、溶融亜鉛めっき・酸洗ライン。
  • 対象外: 電気めっき、切断、溶接、仕上げ工程の排出。

購入鋼材は切断前の重量で数える

使用する鋼材は、切断前の工程投入時の重量で数えます。欧州委員会自身の例では、重量の20%がスクラップとして切り落とされる場合、80トンの製品に100トンの鋼材が必要です。その100トン分の内包排出量がすべて80トンに含まれるため、切断自体はゼロでもトン当たりの値は上がります。鉄スクラップ(CN 7204)はCBAM物品ではないため、売却するスクラップが排出量を持ち出すことはありません。

欧州委員会の計算例

欧州委員会のねじ・ナットの例では、工場が検証済み内包排出量1.539 t CO2e/トンの炭素鋼を20,000トン購入し、ねじとナットを17,000トン生産します。燃やした天然ガスのうちこの分は3,337.95 t CO2です。

  • 鋼材: 20,000 × 1.539 = 30,780 t CO2e。
  • 合計: 3,337.95 + 30,780 = 34,117.95 t CO2e。
  • ねじ・ナット1トン当たり: 34,117.95 ÷ 17,000 = 2.007 t CO2e。

購入鋼材が全体の90%を占めます。重量の15%が製品にならなかったため、出荷1トン当たり1.81 t CO2eとなり、鋼材自体の値1.539より0.27トン多くなります。当サイトの排出量計算ツールはこの例を正確に再現します。

歩留まりがてこになる理由

  • 出荷トン当たりのスクラップが少ないほど、トン当たりの鋼材が減り、値が下がります。
  • 最も重要なのは製鉄所の検証済みの値です。なければその鋼材のEUデフォルト値がマークアップ付きで使われます: デフォルト値か実排出量かをご覧ください。
  • 自社の炉やラインも対象なので、最初から燃料使用量を月ごとに記録してください。

排出量計算ツールで自社の値を計算し、仕入先依頼レターで製鉄所にデータを依頼し、データワークブックで月ごとの記録を残してください。

出典: 欧州委員会鉄鋼に関するガイダンス文書5D(2026年8月14日)2.2.3.8節・4.3節、実施規則(EU)2025/2547付属書I 3.16項・付属書III B項。法的助言ではありません。

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